日頃、ベーシックインカムの研究会でお世話になっている山森先生から、ご自身によるベーシック・インカムの入門書『ベーシック・インカム入門』と、橘木先生との対談本『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』を頂きました。前者は、ベーシック・インカム(以下BI)とは何かを説明したり、BIに対する疑問に答えるというよりも、BIのような一見すると荒唐無稽な考え方が、より良い社会保障のあり方を模索する中で鍛えられてきた、非常に長い歴史を持った議論であることを丹念に論証しています。制度としてのBIへの賛否は別として、BIについて興味がある人はまず手にとって欲しいという意味では、真の入門書ではないかと思います。オススメです。
橘木先生との対談も、良質な対談の例に漏れず、平行線をたどりながらも議論がすれ違う瞬間の風切り音というか、すれ違う様それ自体に読み応えがあります。こちらも是非。