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世界思想社の学ぶ人のためにシリーズ、井上眞理子編『家族社会学を学ぶ人のために』を、大学院の先輩で共著者の西井清治氏よりご恵投いただきました。
どうもありがとうございます。勉強させていただきたいと思います。
ちょうど、論文の校正をしているときに届いたので、早速引用させていただきました。
 
日頃、ベーシックインカムの研究会でお世話になっている山森先生から、ご自身によるベーシック・インカムの入門書『ベーシック・インカム入門』と、橘木先生との対談本『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』を頂きました。前者は、ベーシック・インカム(以下BI)とは何かを説明したり、BIに対する疑問に答えるというよりも、BIのような一見すると荒唐無稽な考え方が、より良い社会保障のあり方を模索する中で鍛えられてきた、非常に長い歴史を持った議論であることを丹念に論証しています。制度としてのBIへの賛否は別として、BIについて興味がある人はまず手にとって欲しいという意味では、真の入門書ではないかと思います。オススメです。

橘木先生との対談も、良質な対談の例に漏れず、平行線をたどりながらも議論がすれ違う瞬間の風切り音というか、すれ違う様それ自体に読み応えがあります。こちらも是非。
   
ひきこもり支援NPO「ニュースタート」代表の二神能基氏より、『勝ち負けから降りる生き方』を頂きました。どうもありがとうございます。二神さんととお会いしたのは、2009年度の家族問題研究学会のシンポジウムでしたが、早く支援活動の現場で問題に取り組んでこられた氏のお話には鬼気迫るものがありました。

いわゆる「ひきこもり問題」には、家族社会学の観点からも非常に関心があり、単に「家族のしつけ」にも、「社会のせい」にも落とし込まない分析的視点が必要だと考えています。また、ニュースタートさんはひきこもり支援の一環として共同生活を取り込んでおり、寮を出た仲間同士でシェアを始める方も多いと聞きます。そういう意味でも、今後もいろいろと勉強させていただければと思います。

それから、前回お会いしたときに『レンタルお姉さん物語』も頂いていたことを思い出しました。本を送ってくださった代表代行の中本さま、重ねてありがとうございました。
以下は関連文献も含めて。

  
牟田和恵編、『家族を超える社会学―新たな生の基盤を求めて』が刊行されました。2年ほど前に札幌学院大学で行われた、日本家族社会学会大会のシンポジウム報告を元に、新たに原稿やコラムを加えて編まれています。久保田は、第4章「若者の自立/自律と共同性の創造―シェアハウジング」という章を書かせていただいています。

表題からも分かるとおり、既に刊行されている拙著『他人と暮らす若者たち』と若干重複する内容もありますが、こちらの方がより理論的な考察に重点を置いています。特に、本書ではG・ジンメルとG・ベッカーに寄りながら、共同居住に関する「二人性(twoness)」概念を提案しています。まだ荒削りな点も多々あるかと思いますが、ご批判いただければ嬉しく思います。

 
<本の紹介>
他人と同居(シェアハウジング)、同性カップル(レズビアン、ゲイ家族)、子連れ再婚(ステップファミリー)など先進諸国で認知されつつある多様な家族から、共同生活がうまくいく条件を探ります。愛情、セックス、血のつながりは条件外、他人であってもルールを守り、ケアの権利・義務を果たせたら、それが家族に代わる人生の基盤になりうるのか? 女の性愛でも、血のつながりでもない。家族とは、ケアの絆を結びあうことだ。力強く生きる基盤を共に築くために。人と人の多様なつながりの実践から、新しい社会構想に向かう社会学。

 <目次>
 序 家族のオルタナティブと新たな生の基盤を求めて―本書のねらい
牟田和恵 

 I 「家族」を超える論理と倫理
第1章 家族の臨界―ケアの分配公正をめぐって
上野千鶴子
第2章 家族からの出発―新しい社会の構想に向けて
岡野八代
第3章 ジェンダー家族のポリティクス―家族と性愛の「男女平等」主義を疑う
牟田和恵

 II 「家族」を超える多様な実践―生きる基盤の新たなかたち
第4章 若者の自立/自律と共同性の創造―シェアハウジング
久保田裕之
第5章 性愛の多様性と家族の多様性―レズビアン家族・ゲイ家族
釜野さおり
第6章 ステップファミリーと家族変動―家族の下位文化と制度
野沢慎司

トピックス ウーマン・リブのコレクティブがめざしたもの 西村光子
トピックス コレクティブハウジングの理念と実践  小谷部育子

コラム 高齢者虐待―家族の変容と家族リスクの高まり 春日キスヨ
コラム 出産と家族―「こうのとりのゆりかご」 白岩優姫
コラム ひきこもりと家族 井出草平
コラム シングルマザー 社納葉子
コラム 家族のオルタナティブは可能か? 山田昌弘
大阪大学の中山先生から、ご著書『科学哲学入門―知の形而上学』を頂いてしまいました。どうもありがとうございます。これ、欲しかったのです。これまでにも科学哲学の入門書をいろいろ読みましたが、そのどれとも違う、重厚な印象を受けました。
中山先生には、修士の時にお世話になっていて、ゼミで読んだ心の哲学関連の文献は非常に面白かったのですが、修士論文から博士論文へと続く専門化圧力の中で、どうしても哲学の教室とは縁遠くなってしまいました。あきらめず、勉強させていただきます。

中山先生の他の本も、とても刺激的でしたので、併せて紹介させていただきます。
特に、『共同性の現代哲学』には強く感銘を受けました。

  

東京学芸大学の松川誠一先生から、『学校教育の中のジェンダー―子どもと教師の調査から』を頂きました。どうもありがとうございます。お礼が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。研究会などでご一緒させて頂いている苫米地さんや、家事の社会学で有名な直井道子先生も執筆陣に名前を連ねておられます。

個人的にはやはり、直井先生の第三章「子どもの家事手伝いとジェンダー」に関心があり、興味深く読ませていただきました。やや外在的な感想ですが、なぜ子ども家事を「分担する」のではなく、「手伝う」のでしょうか。かつては夫についても家事を「手伝う」メンバーと考えられてきました。『家族を超える社会学』に掲載された論文でも議論しましたが、居住の範囲と家事分担の範囲の「ズレ」をめぐって、有意義な議論が可能であるように思います。

松川先生、どうもありがとうございました。

 野沢慎司先生ご本人より、『ネットワーク論に何ができるか―「家族・コミュニティ問題」を解く』を頂きました。久保田が新書を献本させていただいた関係で、お返しに送っていただいたのだと思います。値段の上でも内容の上でも、海老で鯛を釣った形になり、申し訳ありません。

久保田はここ数年、ネットワーク論について読み漁っているところで、非常に参考になりました。形になりましたら、送らせていただきたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
 
ルームシェアリング/シェアハウジングに関する新書を、集英社さんから刊行させていただきました。修士論文を元に書き砕いたもので、学術書と呼べるほどカッチリ書けているかは分かりませんが、その分読みやすいものになっていると思います。近年の若者論とは違った角度で新しいライフスタイルを考えてみたい方も、シェアを含めた他人との暮らしに興味がある方も、いままさにシェアをしている方も、気軽に手にとって頂ければ嬉しく思います。


<本の紹介より>
若年貧困層やプレカリアートに関する様々な議論が交わされる中、一人暮らしでもなく、恋人・家族との同居でもない、第三の居住のかたちが、若者たちの間で試され始めている。本書は、ロストジェネレーション世代の社会学者である著者が、ルームシェア、またはシェアハウジングと呼ばれる「他人との同居」を数年間にわたり調査した記録であり、居住問題に焦点を当てたユニークな論考である。安い家賃で快適な住まいを獲得できるシェアハウジングが、日本ではなぜ欧米ほど広まらないのか?家族と他人との境界線とは。

<目次>
第1章 家族と暮らすか一人で暮らすか
第2章 シェアとは何か 準備編
第3章 シェアのきっかけと魅力 証言編1
第4章 シェアへの不満と困難 証言編2
第5章 共用スペースと個室の意味 証言3
第6章 シェアのことがわからない 疑問編
第7章 新しい住まい方の模索 展望編
終章 公共性と親密性の再編成
関西家族社会学研究会(KAFS)の25周年記念の企画として、家族社会学の論点80に関する議論の位置づけと現代的展開を、それぞれ2見開き4ページで解説した野々山久也編『論点ハンドブック 家族社会学』が世界思想社より発売されました。関西の著名な家族研究者から若手研究者まで、数十名が執筆に関わっています。執筆者のみなさま、お疲れさまでした。

久保田は企画の最後に参加させていただいただけですが、論点23「結婚の類型」と、論点53「フェミニズムと家族」の2項目を書かせていただいています。

ついでにKAFSについて宣伝させていただくと、毎月一回、第4土曜を目安に甲南大学での定例研究会を行い、広く家族に関連する研究報告と議論を行っています。既に25年も続いているとは驚きです。夏には合宿もしたりします。大学院生や若い研究者にとって、自分の所属する大学に複数の家族研究者がいることは希なので、KAFSのように専門の近い研究者とじっくり議論ができる場は魅力的です。みんなよくしゃべります。

興味がある方はご一報ください。

<本の紹介>
家族をめぐる諸現象を、社会学はどのように読み解くか ― 家族社会学の蓄積を、理論から実証まで、幅広く網羅し、80項目のテーマに沿って簡潔明瞭に紹介する。家族に関心を持つすべての読者のための格好のレファレンス・ブック。
<目次>
まえがき
I 家族研究の発端
II 家族分析の基礎
III 親族と地域生活
IV 家族変動
V 近代家族
VI 結婚とは何か
VII 結婚行動
VIII 夫婦関係
IX 生殖行動
X 子育てと子どもの社会化
XI 階層と職業
XII 家族危機
XIII 家族と個人
XIV 離婚  
XV 世代間関係
XVI 家族問題
XVII 家族政策
あとがき
人名索引
事項索引


洞爺湖サミットに先駆けて刊行された、オシャレサヨク雑誌『VOL』の第3号「反資本主義=アート」特集にアムステルダムのスクワットの記事を寄稿させていただきました。声をかけていただいた酒井隆史先生、ありがとうございます。高祖岩三郎さんや、萱野念人さん、渋谷望さんをはじめ、たいへん豪華な執筆陣となっております。

VOLは、「REVOLT」の略らしく、現在4巻まで出ています。4巻はなぜか装丁がちっちゃくなっちゃったので、探しても見つからない人は気をつけて探してみてください。ちなみに、2巻はベーシック・インカム特集です。


<本の紹介>
ま世界で何が起こっているのか。重苦しい日常生活から飛翔するように日々拡張を続ける文化的生産領域(アート)とそれをとりまく資本主義の関係を計30本の考察や実践から徹底的に捉えなおす。思想誌『VOL』第3号。

<目次>
【巻頭特別インタビュー】
マイケル・ハート
「コモン」の革命論に向けて(聞き手・高祖岩三郎)

【特集=「反資本主義/アート」】
*特集巻頭言
高祖岩三郎「アートとアクティヴィズムのあいだ――あるいは新しい抵抗運動の領野について」

*討議
櫻田和也+田崎英明+平沢剛「来るべき民衆が「都市的なるもの」においてアートを完成させる――運動/芸術/コモン」

【NO!G8からはじまる】
・辺見庸 「洞爺湖サミットへの熱いメッセージ――「幻想の絶頂」をことほぐのか」等
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